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ふんどしくらい持っているさ

叔父の咽頭癌と向き合うホメオパスのサポート手記13

叔父のこうきさんは75歳。  

高知の村で一人暮らしをしています。  

2019年6月に咽頭癌と診断され、8月に手術を受けました。  

姪の私が仙台からサポートをしています。

ふんどしくらい持っているさ

こうきさんは、どんな人?


癌治療を受けないと言ったことから、こうきさんへの印象が変わりました。


遠く離れてますが、入院準備を手伝いたいと思いました。


こうきさんの性格からして病院から説明されるであろう入院準備の物を無視しちゃいそうな予感がしたからです。


私「手術用の下着とか、買って送ろうか?」


こうきさん「大丈夫じゃ」


私「手術の時には、ふんどし(T字帯)もいるよ」


こうきさん


「ふんどしばあ、持っちゅう。海パンもふんどしも、そればあ持っちょらあよ」

「ふんどしくらい持っているさ。なんだったら海水パンツも持っているよ。それくらい当たり前さ!」


笑っちゃいました。


と同時に、40年以上前のことを思い出しました。


当時は、家から10分歩いた所に海があって


松林を抜けると太平洋が大きく広がっていました。


とっても綺麗な海なんですが、急に海底が深くなっているところがあり遊泳禁止になっていました。


それでも、こうきさんは毎夏、その海で泳いでいました。


しかも、ふんどし姿でした。


こうきさんは、自分の泳ぎにも自信があったし、人の目は気にしないから泳いでいたんだと、今なら分かります。


でも、幼かった私は、こうきさんの行動が恥ずかしくて嫌いでした。


禁止されていることをするなんて、先生(学校の)に叱られる。


ふんどしなんて、江戸時代みたいで時代遅れで恥ずかしい。


なんで、人と違うことを堂々とやるんだろう。


嫌だなあ。


と思っていました。


「人の意見に左右されずに、自己主張する」


それがこうきさんです。


何十年も、その姿勢は一貫して変わっていません。


だから、抗がん剤治療を医師から勧められた時


「抗がん剤治療を受けないと再発する場合がありますよ」


と脅かされた時にも、


「私は抗がん剤治療で弱りたくない。」


と、自己主張を曲げないでいられた。と思っています。


私が医療従事者ではなかったら、


病気の専門の医師から勧められた治療を断る勇気はなかったかもしれません。


「いごっそう」のこうきさんは、自分を生きているから応援したくなります。
※いごっそうは、頑固者の土佐弁。


次回は、治療方法を選択する時に「医師に意見を聞く」についてお話する予定です。





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三森弥生プロフィール

三森弥生 保健師として8000人以上をサポート後、2013年よりホメオパス活動を開始。薬を使わず医療と連携しながら悪性リンパ腫の治癒、緩和ケアなど、病気を抱えていても穏やかに過ごせるサポートを行っている。▶︎詳細へ